スポンサーサイト

--/--/-- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第2話 婚約 【後編4】

2007/01/07 23:53
「もう止めて下さい!!」

バンッという勢いのある音と共に言ったのはミリアリアだった。
普段は温厚で優しいミリアリアが怒り出したら誰よりも恐いことを知っている4人は今からくるであろう、
自分たちへの怒りに身を竦ませ、身構える。

「姫様。」

きっと向かい合って正面から名前を呼ばれ、カガリは戸惑った表情のまま答える。

「な、なんだよっ!」

「もう16歳になられるのですから少しは落着きというものを身に着けて下さい!
このままではその婚約者の方とやらにもすぐに愛想をつかれてしまいますわよ!?」

「なっ…!だから私は婚約なんてっ!!」

必死に言うカガリだったが、もうすでにミリアリアの視界には入っていない。
カガリの言葉を掻き消すようにミリアリアは説教は続く。

「それから3人共!!」

「は、はいっ!!」

恐怖で声が引きつっているのをキラは横目で見て密かに逃げようとする。
面倒なことは更々ごめんだ。
しかし足を重圧な絨毯につけた途端、身に着けていた深紅のマントを掴まれるのを感じ、思わず振り向く。
すると、袖を掴んで絶対離さない!とでも言いたげなカガリの姿が見えた。

「なに1人で逃げようとしてるんだっ!!」

こそこそと囁くようにして言われた言葉にキラも同じようにして言葉を返す。

「いや、もう帰ろうかと…」

「馬鹿っ!!この事態をどうしてくれるんだよっ!」

「元はと言えば君があんな大声を出したからで…」

「出させたのはお前だっ!」

「あの…」

「なんだよっ!!」

控えめに言われた忠告にカガリは目もくれず答える。

すると……


背後から「何を話していらっしゃるんですか?」と絶対零度な声がした。
反射的に振り返ると、そこには額に青筋を立てたミリアリアが。

「カガリ様…;私の話、ちゃんと聞いてくださっていましたか??」

こめかみをぴくぴくと痙攣させながら言うミリアリアを見、カガリは顔を青くする。

「いや…あの…ミリアリアっ!とにかく落着けって!」

「これが落着いていられますかっ!?」

ますますヒートアップしていく4人の言い争いをキラはしばらくポカンと見つめた後、
再びドアに手を掛けるため、そっと歩き出す。

重圧な絨毯のおかげで底の堅いブーツを履いていても足音は全く聞こえない。

誰にも気付かれないように。
何事もなかったかのように。

部屋から出ることができる。



そう。何事もなかったかのように…

自らに言い聞かせるようにしてキラはドアノブに手を掛ける。


しかし、そんなキラの願いはある一声に遮られた。






2005.12.20.Tuesday 22:44
スポンサーサイト



Comment Post

Name:
Subject:
Mail:
URL:

Pass:
Secret:管理者にだけ表示を許可する

Trackback

Trackback URL:
 Home 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。