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第3話『金の姫とピンクの妖精のウワサ』【前編】

2007/01/11 17:06
「で、その話は本当に本当なんだな?」

木とガラスを組み合わせて作られた繊細だが頑丈なグラスをゆっくりと揺らしながらイザークは静かに問うた。
それにアスランは眉尻を下げて笑いながら答える。

「あぁ。俺はオーブの姫と婚約したらしい。」

「らしいって…お前なぁ;」

気の抜けた声でディアッカが突っ込むが、イザークはアスランの答えに満足しなかったらしく、
しかめっ面になる。

「貴様…ラクス嬢のことはどうする気だ!?」

その名前が出た途端、アスランの顔が微かに曇ったのを見、イザークはこの部屋に来て初めて口元に笑みを湛えた。
ディアッカは複雑そうな笑いを静かに浮かべてそんな2人をただ見つめている。

「ラクスには…本当に申し訳ないと思っている。
生まれた時から王妃の座を約束していたのに、こんなことになってしまって…。
だから、この埋め合わせはできる限り俺がしようと思う。」

静かな調子で言うアスランにイザークはため息をつく。

言いたいことは分かるが、本当に聞きたいのはそんなことではない。
期待通りの鈍感王子の的外れな答えにディアッカは堪えきれずにくっくっと笑いを漏らす。

「…その話は断ることはできないのか?」

「馬鹿言え。無理だ。」

「貴様…努力という言葉を知らんのか?」

「じゃあお前、父上に意見できるか?」

鋭い切り返しに一度うっと詰まる。
それを誤魔化す為、イザークはグラスの中の酒をすべて一気に飲み干した。
先程より赤みが差した顔でイザークは振り払うように言う。

「貴様こそ馬鹿を言うのも程ほどにしろ!
一隊長の俺などがそんなものしたら首を刎ねられるだろうがっ!」

「あれ、ちゃんと分かってたんだな、イザーク。
てっきりまた俺が止めなくちゃいけないのかと…」

「ディアッカ…お前も馬鹿にしているのか…??」

「……。」


少しの静寂。


「…それは肯定の意にとっていいということか…?」

眉根に思いっきり皺を寄せて不快の色を見せるイザークにディアッカは焦りつつも口を開く。

「いっ、いや!そんなこと思って…」

「図星だな。」

その途端、ワインを口にしながら優雅に言ってみせるアスランに非難の目が集まる。

「アスラン……きぃ~さ~ま~!!!」

「おいイザーク!だいたいお前が言いたかったことはそんなことじゃないだろ!?」

「じゃあなんだ。はっきり言え。」

「だからっ!お前とラクス嬢の気持ちのことを言っているんだっ!!」

言いながらイザークはカツン、という硬質な音を鳴らし、
空のグラスを半ば叩き付けるようにして置いた。
急に感情を露にしたイザークにアスランはしばらく目を瞬かせる。
そのまま止まってしまったアスランにディアッカは仕方なさ気に補足をする。

「だぁ~か~ら~!お前はラクス嬢のことをどう思っているのか、
そしてラクス嬢はお前のことを好きなのかどうかってことだよ!!」

中身が毀れそうになるまで傾けられたグラスで指差され、
アスランは困惑した顔を2人に向ける。
だが、どちらも答えるまで絶対帰す気などない!とでも言いたげな表情を見、渋々口を開いた。








2006.1.26.Thursday 0:50!
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