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第4話 足掻き 【前編】

2007/01/22 18:19
よく晴れた昼下がり、日の光が惜しげもなく降りそそぐテラスで2人の少女は向き合っていた。

1人は白磁の肌と燃えるような髪を持つ美しい少女。
そして、まるでサファイヤのような瞳は何かを期待しているようにキラキラと光をはなっている。

それに対し、もう1人の少女、カガリははっきり言ってうんざりしていた。
連日自分の意思を無視し、着々と進められている婚約の準備に。
数日前言い争いをしてからというもの、まともに話してくれないキラに。
そして、何よりも僅かな休憩時間の合間に何度も尋ねてき、問い詰めてくる親友に。

つまり、今のこの状況すべて。


第4話『足掻き』【前編】


「カガリ、一体これはどういうことなのよ!」

先程から必死になって問い詰めてくる親友をカガリは溜息を噛み殺し、花の香りをつけたお茶を上品に啜りながら黙って見つめていた。
その顔は明らかに困惑に縁取られている。

「フレイ、貴婦人ならそんな大声は上げないんじゃなかったか?」

長時間続く同じ質問に堪らず言い返す。
しかし、それでもフレイの口は閉じられなかった。
それどころか挑発だと勘違いしたのか、勢いがさらに高まった気がする。

なんだかこれではいつもと逆の立場になってしまったみたいだ。
そう思いながらカガリはまた一口、お茶を飲んだ。
いつもならなにかしらカガリがやらかし、それを注意するのがフレイの役目。
しかし、今日はまるっきり反対のことが起こっている。
カガリはそれを最初は新鮮だな、などと思い結構楽しんでいたのだが、こうもやられるとだんだん怒るのも億劫になってくる。
今度からいつも自分を叱ってくれるミリアリアやフレイの為に自分も少し気を付けよう、などと心の奥で思っていると、フレイがテーブルをどんっと叩いて抗議する音で無理矢理覚醒させられた。

「な、なによっ!カガリが言えることじゃないでしょう!?それより話をずらさないで!」

今までにない権幕でまくしたて、今にも真正面から突っ込んできそうなフレイにカガリは慌てて立ち上がり答える。

「ちょ、ちょっと落着けってフレイ!だから話せることなんてなんにも…」

手をぶんぶん振りながら一生懸命カガリは言う。が、それでフレイが収まるはずもなく…

「落着けって言われたってそんな簡単に落着ける話題じゃないわよ!一体どうゆうことなの!?
この前まで結婚のけの字も望んでなかったカガリがいきなり結婚なんて…。
しかもザフトの王子が相手なんて…私はてっきりキ」

「…えっ!?私が結婚を望んだなんて誰が言ってたんだ!?私は第一認めてない!」

自分が一番聞きたかったことを遮られ、フレイは一瞬むっとなるが、それを抑えて口を開く。

「ちょっと!私にまで嘘つかないでよ、カガリ。なんでも言い合う仲じゃないの。」

「嘘なんかついてないさ!!私はそんなこと承諾していないし、ましてや…」

さらに言い募るカガリだったが、フレイは心底怪訝そうに自分を見つめている。
何か不穏なものを感じ取ったカガリは逸る気持ちを抑え、一度口を閉じた。

「でも…じゃああの国に出された御布令はなんだっていうの?それすら嘘だって言うのかしら?」

「…御触令?」

語尾に思いっきりクエスチョンマークが付いているカガリの反応にフレイは首を傾げ、さらに説明を続けた。

「えぇ。脆かったザフトとの絆を強くし、さらなるオーブの繁栄の為にザフトの王子と自分は結婚する。そして同時に同盟を結ぶと。カガリの名で書かれてあったらしいわよ。」

「その…らしいとはなんなんだ?」

「私は直接見ていないもの。行くわけないでしょ?なんで私が自分の足でそんな所にいかなきゃならないのよ!」

「それは分かってるさ!フレイが行くのはせいぜい服の為だろ?」

半眼で呆れた表情のカガリに見つめられ、フレイは一瞬怯むが、空咳を一つ吐いて先を続けた。

「あぁもうそんな話は今はいいの!とにかく、今日ここに来る途中コニールに会ったの。孤児院の御使いの途中、街に寄ったらしくて…そこでこの話を聞いたって訳。」

「コニールに?」

予想外の名にカガリは驚くが、フレイは気にせず説明を続ける。

「えぇ。あの子はしっかりしてる子だから。間違った情報じゃあないと思うけど。」

「あぁ…それは分かってるけど。それって本当に私が言ったことになっているのか?」

いつになく真面目な顔で問われた質問にフレイはそんな雰囲気を吹き飛ばすように答えた。

「当ったり前じゃない!なに?違うの?」

キョトン、とした表情で聞きかえすフレイだったが、カガリの目にはもう目の前にいるフレイの姿は見えていない。

「まさか…お父様、が?」

「カガリ?」

突然、自分の目の前で悶々と悩み始めた親友の口からいきなり飛び出た単語にフレイは驚いて肩を揺さぶる。
しかしそんな軽い振動でカガリが気付くことはなく、返答はなかった。
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