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第4話 足掻き 【中編1】

2007/01/22 18:21

しばらく、陽だまりに包まれた心地よいテラスには到底そぐわない重い空気が漂う。
が、それを一層するかのようにカガリは急に立ち上がった。

突然響いた大きな音と唐突なカガリの行動にフレイが目を丸くしているとカガリはそのままずんずんと進んでいく。
しかし、明らかに逃げるつもり(少なくともフレイにはそう見えた)のカガリをフレイが許す筈もなかった。

「ちょ、ちょっと待ちなさいカガリ!!」

「うぎゃっ;」

怒りに身を任せ、勢いよく歩き出したところをいきなり後ろからスカートの裾を思いっきり引っ張られ、カガリは蛙が潰れたような泣き声を発して顔面から床に突っ伏した。

ビターーンと小気味いい音がテラスに響き、その音で傍の木々にいたらしい小鳥たちが一斉に飛び立つ。

「いきなり何するんだフレイ!!」

カガリは顔の痛みと恥ずかしさのため顔を赤らめて抗議する。
が、フレイはそれを綺麗に無視し、力の抜けたカガリを無理やり立ち上がらせると、再度椅子に座らせて自分も座ると、
丁寧に紅を塗った唇を上げ、極上の笑みを浮かべて言った。

「カガリ、このまま私に何も言わずに去るなんて失礼すぎると思わない?」

綺麗だけれどどこか凄みを帯びた笑みにカガリは冷や汗が出るのを感じた。

「あとで絶対話すから今は少し待ってくれ!私は今すぐお父様に会いに行かなくちゃならないんだ。」

「あとで、なんて信用できないわよ!そんなこと言って逃げる気でしょう?」

「逃げないさ!絶対後から話す…」

「後じゃだめなのよ!!」

急に声を荒げたフレイをカガリは驚いて見遣る。
すると、顔を横に背け、唇を噛み締めたフレイがいた。
その横顔はどこか泣きそうな顔にも見え、カガリは慌てて尋ねる。

「フレイ…?一体どうして…」

「お願い、カガリ。一つだけでいい。聞きたいことがあるの。
お願いだから答えて。」

理由も言わず、ただ真摯な様子でカガリを見つめるそのの目はいつもない熱を湛えていた。
そう、ちょうどあのとき、カガリを見つめたキラのように。
そして、それにカガリが逆らえるはずもなかった。








2006.5.12.Friday 23:26
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